味覚障害は、味が薄く感じる、全く分からない、あるいは特定の味だけ分からない、本来の味と違った味に感じるなどが主な症状です。
味を感じるには、舌や喉の奥にある味のセンサーである味蕾で感じた味の刺激が、神経を伝わって脳に伝えられ甘味、苦味、酸味、塩味などの味覚を認識します。
したがって、味覚障害は味を脳に伝える末梢か、味を認識する中枢のどちらかの異常によって起こりますが、ほとんどの味覚障害は末梢性です。末梢の異常としては、おおざっぱに言って味蕾の異常か、唾液の異常が考えられます。
味蕾に異常が起こる原因としては、ダイエットその他の極端な偏食などによる亜鉛不足などが考えられます。
唾液の異常の原因は、加齢、シェーグレン症候群などの疾患、抗がん剤や放射線などのがん治療などによる唾液分泌の低下や、唾液中の非生理的物質が排出されることによる味覚異常などが考えられます。
その他に味覚障害を引き起こす原因として、薬剤によるものや歯周病、心因性のものなどがありますが、風邪や鼻炎などで嗅覚障害とともに味覚障害が引き起こされる場合もあります。
味蕾の異常による場合、味蕾が消失すると味蕾は再生しないので、味覚の回復は難しいでしょう。風邪や鼻炎による場合は、一時的なものが多いので症状が治まれば味覚も戻る場合が多いですが、中々戻らない場合は専門医に相談し治療が必要になってきます。鍼灸でも、味蕾の消失による味覚障害の治療は難しいですが、風邪や鼻炎によるものや心因性のものであれば、治療によって回復する可能性があります。
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