当院は中医学の考え方を基本にしながら、これまでの経験を生かしそれぞれの症状に合わせて、様々な角度から幅広い治療を行っています。

中医学では、人の体の基本となる大事なものとして気、血、水(汗、涙、唾液、尿、リンパ液その他の体液)があり、これらは体中に張り巡らされた経絡という通路を流れています。

 

中医学に「通則不痛、不通則痛」という言葉があります。これは、「通じれば即ち痛まず、通じざれば即ち痛む」と読みます。つまり体にとって大切な気、血、水がきちんと流れていれば痛まず、流れていないと痛むということです。

 

当院の鍼治療は、この考え方をベースに経絡上にあるツボとよばれる経穴に鍼を打ち、気、血、水がきちんと流れるように調節します。

 

血の流れが悪くなると、淀んだ川の底にヘドロが溜まるように、血にもドロッとした粘り気のある固まりのようなものが、体の深いところに沈んで溜まります。これを表面に浮き上がらせて、流れを取り戻すのが吸い玉治療です。

 

人の体に病気をもたらす邪気には、風、寒、暑、湿、火(熱)があります。これらの邪気のうち、特に痛みを引き起こしやすいのは寒です。寒の邪気が経絡に侵入すると、筋を縮み込ませて気血の流れを悪くして、けいれん等を起こさせて痛みを発生させます。

この場合の治療には、お灸や火鍼などが使われます。

全身鍼治療

鍼治療は、気、血、水の流れを整えて痛みを止め、体の機能を正常に戻します。

吸い玉治療

吸角療法は、局所に滞った血(東洋医学では瘀血といいます)を体の表面に浮き上がらせて、血流を改善する治療法です。
肩や背中、腰の凝り、張り、炎症による痛みの改善に効果が
あります。

灸頭鍼による灸治療

写真は、灸頭鍼といって鍼の頭にお灸をつけて行う治療法です。

体に侵入した寒の邪気を撃退して、気血の流れを取り戻し、痛みや麻痺等の症状を回復させます。 
また、冷えによる胃腸障害や、女性の生理痛、生理不順などの改善にも効果があります。
当院では、灸頭鍼の他に米粒大から米粒の半分くらいの大きさに捻ったモグサに火をつける知熱灸や、温灸、枇杷の葉灸なども行っています。

鍼に低周波治療器をつないだ電気鍼治療

その他に、低周波治療器を使った治療等も行っています。
低周波治療器は、電極を鍼につないで振動させ、その振動刺激に対する体の反応を利用した治療法です。
低周波のマッサージ機のように、血流を促進させ凝りや張りを改善
する他に、神経伝達物質などの分泌に影響を与えることで、自律神経やホルモンのバランスの乱れによる症状の改善に効果を発揮します。