「更年期障害」、よく耳にする病気ですが、どんな病気なんでしょう?
まず更年期というのは、女性ホルモンを分泌する卵巣の機能が衰え始め、閉経を迎える前後数年間をいいます。個人差がありますが、日本女性の場合45~55歳くらいと考えられますので、このくらいの時期になんか身体の調子が悪いという方は、内科や婦人科などを受診してみてください。
具体的には、下のような症状が見られることがあります。
- 血管運動神経症状:ほてり、のぼせ(ホットフラッシュ)、発汗、冷え性、動悸、息切れ、むくみ
- 精神神経症状:頭痛、めまい、立ちくらみ、不眠、鬱、不安感、耳鳴り
- 知覚神経症状:しびれ、知覚鈍麻、知覚過敏、蟻走感、掻痒感、視力低下
- 運動器官症状:腰痛、肩こり、筋肉痛、関節痛
- 消化器症状:食欲不振、吐き気、便秘、下痢、喉の渇き、胸やけ、胃もたれ
- 泌尿器症状:頻尿、残尿感、排尿痛、血尿、尿失禁
- 生殖器症状:月経異常、膣乾燥感、性交痛、性欲低下
では、なぜ更年期を迎えるとこんな症状が現れるのでしょう?
女性の場合、通常28日周期で生理があり、女性ホルモンの一つエストロゲン(卵胞ホルモン)が、脳にある下垂体前葉から分泌される卵胞刺激ホルモンの刺激を受けて、卵巣から分泌されます。更年期を迎えると、生理が終了するためエストロゲンの分泌量が低下し、卵胞刺激ホルモンとのバランスが崩れることで様々な症状が現れます。
ホルモンというのは、成長に関わったり、血圧や脈拍を整えたり、身体を正常な状態に保つために非常に重要な働きをしています。そのため、ホルモンの分泌の異常によって起きる病気も、甲状腺機能亢進症(または低下症)、クッシング症候群、アジソン病その他多く見られます。
ホルモンバランスの乱れの他に、仕事や家庭などの生活環境の問題がプラスされることで、これらの症状が起こってきます。ただし、更年期を迎えた人がなるわけではなく、またこれら全ての症状が必ずでるわけではありません。それぞれ個人差があり、発症する時期も30代で発症する人もいます。
以上のような原因で起きることから、更年期障害は女性の病気と思われがちですが、男性にも見られる病気です。男性の場合、生理はありませんから、更年期に関係なく20代、30代でも症状が現れる場合があります。生理の無い男性にこういった症状が現れるのは、ストレスや生活習慣によって男性ホルモンの分泌が低下するためです。
病院での西洋医学的な検査では異常が見られないため、30代で症状が現れた場合症状を抑える薬が処方されますが、季節の変わり目や梅雨時などは特に症状が強く現れやすいため薬だけでは抑えられず、鍼灸などの東洋医学を頼って来られる方も結構いらっしゃいます。
鍼灸では、それぞれの症状を抑えるとともにホルモンバランスや自律神経の乱れを整えていくことで、根本的な改善をしていきます。
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