痙攣性発声障害の治療に鍼灸 川崎市(溝の口)杏の樹鍼灸治療院

痙攣性発声障害は、失声症(中医学では嗄声とか喉声などといいます)の一種で、ストレスなどを原因とする前回までにご紹介したジストニアの一種でもあります。
書痙と同じように、普段は問題ないのですが喋ろうとするとき、特に緊張しやすい場面で声が出なかったり、振るえたりする病気です。

鍼灸で使う経絡のうち基本的な経絡を正経といって、手と足に陰と陽3本ずつ計12本が全身を通っていますが、そのすべてが喉を通っています。ただ、すべてが同じところを通っている訳ではなく、それぞれが身体の深いところや浅いところに分かれて通っていて、少しずつ役割が違います。現代医学的にいうと、食べ物が通過する食道に関するものと呼吸の通り道の気道の違いの様な感じです。

特に喉に関係が深く、風邪による喉の症状によく使われるのは肺の経絡ですが、心的要因が関係する場合は肺よりも深いところを通っている腎の経絡も考慮に入れます。これら喉に関する経絡に、他のジストニアと同じように風を抑えて精神を落ち着かせるために、心や肝の経絡を使って治療していきます。