血液の疾患の中にも、東洋医学が有効なものが何例かありますが、その中の一つが特発性血小板減少性紫斑病です。
血小板は、血液の中に含まれている細胞で、出血を止めるための働きをしています。そのため、血小板が少なくなると出血しやすくなったり、出血しても血が止まりにくくなったりします。
血小板が少なくなったために、毛細血管も破れやすくなります。これが皮膚の下で内出血すると、紫色の斑点のように見えるので、「血小板減少性紫斑病」といいます。
特発性血小板減少性紫斑病は、血小板に対する自己抗体が出来ることによって、血小板が破壊される自己免疫疾患という免疫の病気です。治療は、免疫抑制剤や血小板を増加させる薬、ステロイド剤などの薬を使った治療法や、血小板の破壊が脾臓で行われていることから脾臓を摘出する手術療法などが行われています。ですが、自己抗体が出来てしまう原因が分かっていないため、どれも根本的な治療にはならず、症状を抑えるためには継続的に行っていかなければなりません。
ステロイド剤や、免疫抑制剤の長期にわたる服用は体に対する負担が大きく、様々な副作用や病気に罹りやすくなるなどのリスクを伴います。特発性血小板減少性紫斑病の中には、重症でなければ鍼灸や漢方薬で改善するものがあります。西洋医学の治療で体がつらい場合は、東洋医学を試してみるのも一つの手かもしれません。
鍼灸には、「血海」、「膈兪(血会)」など血に関するツボや、”心経”、”脾経"、”肝経”など血に関係の深い経絡があります。”脾”は血を作る作用や「統血作用」といって血が脈管から漏れでないように管理する働き、”肝”は「蔵血作用」といって血を貯蔵しておく働きをもつなど血に関する生理学的な考え方があり、これは漢方薬の処方にもつながってきます。
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細野すみ子 (月曜日, 04 4月 2016 22:00)
血小板減少症の息子の事でメールさせていただきました。現在、漢方薬を飲んでいますが、効果は出ていません。
鍼治療は効果がありますか?
杏の樹鍼灸治療院 (火曜日, 05 4月 2016 15:16)
細野すみ子様
当院のブログにコメントをいただき、ありがとうございます。
ご質問の血小板減少症への鍼治療の効果についてお答えさせていただきます。これまでに効果がみられた例はありますが、漢方薬と同じように必ずというわけではありません。
漢方薬で効果がみられる方、鍼灸治療で効果がみられる方、両方を併用することで効果がみられる方など色々いて、それぞれの相性や体質によりますのでやってみないと分からないところです。
一応、傾向としては虚弱体質の方のほうが、効果がみられやすいようですのでご参考になさってみてください。
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