胃痛の治療に鍼灸 川崎市(溝の口)杏の樹鍼灸治療院

「胃痛」は病名ではなく症状で、胃の痛みには胃炎や胃潰瘍などがあり、原因も冷えによるものから飲食物の偏り、ストレスなどによる神経性のものまで様々です。胃炎には、急性のものと慢性のものがありますし、潰瘍にも胃潰瘍の他に十二指腸潰瘍でも胃のあたりに痛みを感じます。
急性のものは突然激しく痛み、慢性のものはジワジワと長い時間痛みが続きます。胃潰瘍は、食後30分〜1時間くらいから、みぞおちの辺りからやや左側が痛み始め、胃の次に続いている十二指腸の潰瘍では、食後3時間くらいから、お腹の右側が痛み始めます。神経性のものは、強いストレスによって神経が刺激を受けたりすると痛みます。

当然、治療法もそれぞれ違ってきます。東洋医学は、胃炎とか潰瘍とかではなく痛みという今起きている症状に対して、原因を探り取り除くことで改善をはかります。
冷えによるものは、冷えを無くすことを中心に治療を進めていきますから、鍼に灸や、場合によっては火鍼なども使って治療していきます。飲食が原因のものは、食べたものがキチンと消化されずに胃に留まっている状態なので、これを十二指腸、小腸、大腸へと流れていけるように治療します。精神性のものは、心をリラックスさせ、ストレスによって弱った消化吸収能力を回復させるための治療をします。

内臓の活動には血液が必要です。食後すぐに激しい運動をしてはいけないのは、運動をすると筋肉の活動に血液が使われてしまって胃に集まらないからですし、寝る前に飲食を控えるのも眠っている間は血液の循環が落ちるからです。冷えると血液の循環は悪くなりますから、お腹はなるべく冷やさないように、食べ物もあまり冷たいものを摂りすぎないように気をつけましょう。
アルコール、甘いものや米その他の炭水化物など糖質のものを摂りすぎると、身体に湿熱が溜まると消化吸収機能が低下します。消化しきれない飲食物が胃に停滞すると、胃の脹満や炎症の原因となります。
ストレスを感じると、副腎という臓器から分泌される副腎皮質ホルモンには、胃液の分泌を促進させる働きがあります。胃液は強い酸性なので、増えすぎると胃の壁に傷をつけてしまい潰瘍という穴をあけてしまいます。

人には、先天の精といって生まれつき持っているエネルギーがありますが、このエネルギーは生きて活動を続けていくことで消耗していきます。食事を取るというのは、それを補うためで食事によって得られるエネルギーを後天の精といいます。物を食べるということは生きていく上でとても大切なことなので、日常生活や食事の内容には気をつけ、ストレスのかけ過ぎにも注意して胃を大切にしてください。