貧血には、鉄欠乏性貧血、再生不良性貧血、溶血性貧血その他、別の病気が原因となって起こるものや治療の難しいものなどいくつかありますが、一般的に貧血と行った場合には鉄欠乏性貧血をいいます。
鉄欠乏性貧血は、血液の中の赤血球が少なくなって起こる症状で、潰瘍などによる慢性的な出血か栄養不足などの他、女性の場合は生理による出血などが原因としてあげられます。
赤血球の中には、ヘモグロビンという全身に酸素を運ぶ役割をするタンパク質が含まれています。赤血球が不足すると酸素が運ばれなくなるため、頭が重くなり、疲れやすく息切れや動悸がしたりします。ヘモグロビンは、ヘムという鉄成分とグロビンというタンパク質が結合したものなので、赤血球が少なくなって起こる貧血を鉄欠乏性貧血とよびます。
東洋医学における血は、飲食物から得た栄養素から脾の臓で作られます。作られた血は、肺によって全身に散布されます。散布された血は、心の気の力で全身を巡りますが、途中で不正出血などの漏れがないように脾が、全身をスムーズに流れるように肝がそれぞれ管理します。また肝は、予備の血をストックしておく蔵血という働きもしています。
このように、血が作られてから全身に送られるまで、肝、心、脾、肺の臓器が関わっていますので、これらの臓器に不調があると貧血の症状が現れることがあります。東洋医学では、このような症状を血虚といいます。
鍼灸で治療していく場合、肝、心、脾、肺などの関係する経絡を使って、血の生成に必要な気血水を補うようにしていきますが、内臓に潰瘍がある場合などはそちらの治療も必要ですし、栄養不足の場合しっかりとした栄養の摂取が必要です。
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