西洋医学では、寝ても疲れが取れない、いつも身体が重だるいなどの慢性疲労の症状は、何らかの病気が原因となっている場合以外は病気と認められません。多くの方は、ビタミン剤や栄養ドリンクのCMなどでも疲労回復を謳ったものが多く見られますので、それらを服用するくらいしか対策がないのではないでしょうか。
東洋医学では、症状があれば治療を試みますので、たとえ疲労であってもつらいと感じれば治療していきます。
東洋医学で疲労の原因として一番に考えられるのは、気が弱っている状態です。気は、全身を1日に50回巡っているといわれ、気が巡ることによって全身に栄養や活力が送られ、血も気の力によって送られます。ですから、気が弱っていると何事に対してもやる気が起こらなくなり、昼間でもボーッとして眠気があったり、喋るのも面倒になったりします。少し動くと息切れがして、疲労感が増してしまいます。
また、最近疲れやすくなったという方は、年齢や生活状況によっては腎の気が弱っているかもしれません。この場合は、下半身が重だるくなったり、手足が冷えやすくなるなどの症状を伴うことがあります。
治療は、いずれの場合も弱っている気を補うための治療を行っていきます。鍼治療には、弱っている気を補う方法と、詰まって渋滞している気を取り除いて通りを良くする方法があります。この場合は、前者の方法を使って場合によってはお灸を加えるとより効果的です。さらに、漢方を加えると回復が早くなりますので、その場合は漢方薬局の薬剤師さんに相談されることをおすすめします。
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