動悸、息切れは、通常でも運動後等に見られる症状ですが、心臓疾患などの重篤な疾患が関係している場合もあります。脈拍が100を超える状態が続いたり、不規則であったりしたら心臓疾患の可能性もありますので注意が必要です。心臓以外にも呼吸器や自律神経、ホルモンの分泌異常など、動悸、息切れの原因として考えられる疾患は多岐にわたります。
心臓が関係している場合は、動悸・息切れの他に胸の痛み、特に左胸から上肢にかけての放散痛や、脈拍が速くなったり不整脈が出るなどの脈拍の異常、むくみ、疲労感、冷や汗などの症状がみられます。
呼吸器が関係している場合は、動悸より息切れの方が強く、咳や痰が多く唇の色も悪くなります。
その他自律神経やホルモンが関係する場合は、眩暈、食欲不振または食欲の亢進、消化器の異常からくる便秘または下痢、イライラや不安感等の様々な精神症状、発汗や排尿の異常、女性では月経の異常などが、動悸・息切れに伴って現れます。
動悸・息切れの原因となる疾患
心臓が関係する主な疾患
狭心症、心筋梗塞、心臓弁膜症、心不全、不整脈、期外収縮、拡張型心筋症、心筋炎、 先天性心疾患その他ほとんどの心臓の病気では動悸がみられます。
肺が関係する主な疾患
肺気腫、慢性気管支炎、気管支喘息、肺炎、肺結核、肺線維症、肺血栓塞栓症、自然気 胸その他
自律神経、ホルモンが関係する主な疾患
自律神経失調症、甲状腺機能亢進症、起立性低血圧、褐色細胞腫、更年期障害、心身 症、不安神経症、月経前緊張症、月経困難症その他
その他高血圧、低血圧、糖尿病などでも動悸・息切れは起こってきます。心臓病などの持病を持っていない人は、自律神経の問題や精神科疾患の可能性もあります。症状が現れたら決してパニックを起こさず、深呼吸をして落ち着いて対処しましょう。
東洋医学で身体の状態を診るとき、陰陽、虚実、表裏、寒熱というのを診ていきますが、ここでは脈や舌を診なくても症状である程度分かる虚実だけで大雑把に分類してみましょう。
虚というのは気が不足している状態で、実というのは気が溢れたり詰まったりしている状態で、どちらも気がスムーズに流れていない状態です。鍼灸治療では、不足している気を補ったり、詰まっている気を通して流れがスムーズになるように改善します。
● いつも動悸がしている、息切れがする、掌に汗をかく、疲れやすい、やる気が起きな
い、寝付きが浅い、眠りが浅く夢をよく見る、口が渇く、耳鳴りがする、顔が赤く火照 る、仰向けになって休むと楽になる、このような症状のある方は虚の状態による動悸で す。
● 動悸が出たり出なかったりする、あるいは年々強くなっている、不眠で眠れても浅く夢 をよく見る、途中で目が覚めやすい、少し動くとゼーゼーいう、口の中が苦い感じがす る、胸がもやもやする、急に胸が痛くなる、咳や痰がよく出る、排便後もすっきりしな い、手足が冷え、冷や汗が出る、これらの症状は実の状態の動悸です。特に冷や汗や、急 な胸の痛みが出た場合は命に関わる危険な状態も考えられますので、病院にいってくだ さい。
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