便秘の治療に鍼灸 川崎市(溝の口)杏の樹鍼灸治療院

健康時の状態に比べ排便回数が減少し、水分の乏しい(通常70%程度)硬い便を数日に一回位排便する状態を便秘といいます。


便秘は大きく分けて、「器質性便秘」と「機能性便秘」の2種類があります。

器質性便秘
胃、腸、肛門などの消化管に疾患などにより物理的、形体的異常が発生し、それによって便の通過障害を起こした状態です。器質性便秘と同じ分類の中に、症候性便秘というのがあります。器質性便秘も症候性便秘も、疾患などによる異常が元で起こるのは同じですが、症候性便秘では原因となる疾患が、消化管疾患に限りません。                  
原因となる疾患のなかには、大腸がんなどの重篤な疾患も含まれていますので、血便など気になる症状が出たら専門医の診察を受けることをお勧めします。

  
器質性便秘には、先天性と後天性があり、さらに症候性便秘は“急性“と”慢性“の2種類に分けられます。   
急性症候性便秘の原因となる疾患には、腸閉塞や腸ねん転など激しい腹痛を伴うものがあります。
慢性症候性便秘の原因となる疾患には、腸管癒着、腸閉塞、子宮筋腫、卵巣嚢腫などがあります。
どちらも重篤な疾患の可能性がありますので、異常を感じたら   
直ぐに医師の診察を受けてください。


機能性便秘                               
腸に物理的な損傷などはないが、何らかの原因によって働きが低下した状態です。
機能性便秘は、さらに一過性単純性便秘と習慣性便秘に分類されます。

一過性単純性便秘は、文字通り一過性で普段は特に便秘がちではない人が、ダイエットや薬の副作用、旅行など環境の変化によって急性的になる便秘です。

習慣性便秘は、さらに弛緩性便秘、痙攣性便秘、直腸性便秘などに分類されます。

  •  弛緩性便秘                                  腸の運動の低下により、便を送り出す力が弱くなることで起こる便秘です。高齢者や女性、特に出産経験のある女性などの筋肉が弱っている人に多くみられます。     糞便はあまり硬くならず、殆ど常に腸内にみとめられる。腹痛はないが、交感神経が緊張状態のため便意は弱い。                            弛緩性便秘の改善には、適度な運動(腹筋やウォーキングなど)やマッサージ、食物繊維や乳酸菌を摂取することが効果的です。


  •  痙攣性便秘                                  成人男子に最もしばしば見られ、ストレスなどにより自律神経が乱れ、腸管が過緊張で痙攣し便が渋滞したために起こる便秘です。
    腸炎を起こした時になる便秘で、激しい腹痛があります。副交感神経の緊張状態で、便意はあるが糞便が硬く、なかなか出すことができない。               下痢と便秘が交互に出現する、過敏性腸症候群もこのタイプに含まれる。


  • 直腸性便秘
    便意を我慢することを繰り返すことで、腸が鈍感になり便意はあるのに出すことが出来ない便秘です。これは、糞便がS状結腸から直腸に送られた時点で、排便運動を抑制することが習慣となったため、排便刺激に対する直腸の排便運動が不感症になっている状態です。

  直腸は、大腸からS状結腸ときて、直腸、肛門と繋がる肛門に最も近肛門に傷がつけて  しまう場合があり、痔の原因となる可能性があます。
  また、大腸と違い蠕動運動がなく水分も少ないため便が硬くな ります。痛みは刺すよ  うな痛みで、直腸に滞留し続けることで活性酸素が増え、病気になりやすくなります。


  すべての便秘に共通にすることですが、適度な運動と食物繊 維、水分の摂取と便意を  我慢することによる排便反射の低下が原因ですから、毎日決まった時間に排便をする習  慣をつけることが大切になってきます。

 

東洋医学で身体の状態を診るとき、陰陽、虚実、表裏、寒熱というのを診ていきますが、ここでは脈や舌を診なくても症状である程度分かる虚実だけで大雑把に分類してみましょう。
虚というのは気が不足している状態で、実というのは気が溢れたり詰まったりしている状態で、どちらも気がスムーズに流れていない状態です。鍼灸治療では、不足している気を補ったり、詰まっている気を通して流れがスムーズになるように改善します。

 

● 実のタイプの便秘は、気が詰まって渋滞しているために起こる便秘で、主にストレスなど 精神的なものが原因となる場合と、野菜を食べないとか辛いものをたくさん食べ過ぎるな どの偏食が原因となる場合とがあります。

 ストレスによる便秘では、お腹が張って痛んだり、ゲップがよく出たり、口の中が苦く感 じたり、時にはめまいがしたりすることがあります。

 偏食による便秘では、繊維質や水分が足りないため便が硬くなって出にくくなります。そ のためお腹がつかえて、おならが出やすくなります。水分が足りなく乾燥しているため熱っ ぽくなり、喉が渇きやすく頭痛がすることもあります。

 

● 虚のタイプの便秘は、体力の低下や老化などにより腸も働きが悪くなることが原因になり ます。

 病気で長い間寝込んでいたり、産後などの体力が落ちているときは、腸の働きが悪くなっ て便を運ぶことが出来なくなり便秘になります。腸の働きが悪いため、便意があっても  中々出なかったり、お腹が重いような不快感があります。

 老化の場合は、体力の低下と血の巡りの悪さから来る冷えが原因となって便秘になりま  す。こちらも、便意があっても便が出にくくなります。冷えが強いと渋り腹といって、便意 に伴ってお腹が絞り込むような痛むことがあります。