以前、風邪の治療について書いたので、風邪につきものの咳の治療についても書いておきます。
風邪を引いたときに出る咳は、風邪の治療の一環として、風邪が寒邪を連れてきた「風寒証」なのか、熱邪を連れてきた「風熱証」なのかを診て、風寒証ならば寒を散らし風熱証ならば熱を清めるような治療を行います。
風邪以外の慢性の肺疾患や、ストレスなど精神的な負担が原因となって発作的に起きるような咳は、湿や痰といった湿邪が影響しているため、「きょ湿」(”きょ”は示す偏に去)「化痰」といった治療を行います。
痰というのは、身体にとって悪い水分で、「脾は生痰の源」といわれて脾で作られます。脾は、食べ物や飲み物から吸収した栄養を、全身に運ぶ役目をしていて、脾の力が弱るとそれらが運ばれなくなり、痰と化す場合があることからそういわれています。また、肺は「貯痰の壷」といわれ、出来た痰が溜まりやすい臓器といわれています。
こうした理由から、慢性疾患などで体力が弱ると脾の力も弱って、痰が出来やすくなり咳が出やすくなります。
ストレスなどで精神的な負担が大きくなると、肝に負担がかかり肝の気が熱化して上の方に上っていきます。熱化して上昇した肝気に肺が焼かれ、肺の水分が煮詰まって痰が生じ咳が出ることがあります。この場合は,「平肝」といって肝の負担を和らげて平静にして、肝気の熱を冷まして下に降ろすようにして治療していきます。
慢性の肺疾患には、現代学でも治療の難しい疾患がありますが、東洋医学ではこれらの治療法を基本に治療を行っていきます。
杏の樹鍼灸治療院では、冷えを取り除くことで不眠、頭痛、めまい、その他自律神経失調症による様々な症状を改善に導く治療を行っています。
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