三叉神経痛 川崎市 溝の口 杏の樹鍼灸治療院
三叉神経痛は、顔面の痛みで一般には顔面神経痛ともいわれることがあります。
顔面を支配している主な神経には、脳幹から出る脳神経の5番目「三叉神経」と7番目「顔面神経」があります。三叉神経は、左右の脳幹から出た後耳の辺りで3本に分かれ、1本は額の辺り、もう1本は頬の辺り、そしてもう1本はあごの辺りと顔全体を覆うように伸びていきます。主に顔面の知覚を主る神経(一部、咀嚼にかかわる筋肉に分布する運動繊維も含みます)、つまり痛覚や触圧覚、温度覚などに関わる神経です。
顔面神経も三叉神経と同じように顔面を覆うように走行していますが、三叉神経よりも浅いところに分布しており、主に顔の表情にかかわる筋肉を支配する運動神経(一部、味覚にかかわる知覚繊維も含みます)です。
三叉神経痛は顔の片側に現れることが多く、刺激によって誘発されます。髭剃りや化粧、歯磨きなどから軽く手を触れる、口を動かす、風が当たるなどのちょっとした刺激によっても出現します。痛みは発作的で、針で刺されるような、刃物でえぐられるような、電気ショックをうけたようなど非常に激しく食事や会話など日常生活にも影響を及ぼします。
三叉神経痛の原因はいくつか説がありますがこの三叉神経が周囲の血管に圧迫されるためという説が現在では有力とされています。
東洋医学では、頭や顔に異常が現れた場合、“風”の性質を持った邪気によるものという考え方があります。これは、“風”が持つ軽くて高く舞い上がるという性質から、頭面部に上りやすいと考えるからです。三叉神経痛の場合も、この風邪によるものと考えられています。そして、この風邪は他の邪気を伴って侵入してくることが多く、三叉神経痛でも寒邪あるいは熱邪を伴った風寒、風熱というかたちで侵入してきます。また、“風“には、外側から外邪として侵入してくる”風邪”(ふうじゃ)のほかに、体の中で発生する“内風”があります。内風は、ストレスなどの精神的な問題によって発生することが多く、内風によっても三叉神経痛が起こることがあります。
このような考え方から、鍼灸では三叉神経痛に対して寒や熱などの邪気を取り除き、気血の通りを良くすることによって症状を緩和し病を治癒させていきます。